今回の記事ではSEKIRO:SHADOWS DIE TWICE/隻狼/せきろのクリア後レビューを掲載しています。
これからSEKIROの購入を考える方が参考にして頂く記事内容となっており、重大なネタバレもなく既にプレイ済みの方が得られる情報は特にありません。
SEKIRO・隻狼の読みは?
ほとんどの日本人は狼の音読みである「ロウ」(狼狽:ろうばい、落花狼藉:らっかろうぜき、など)や、TARO(たろう)などのローマ字表記読みがある事から「せきろう」と読んでしまいそうですが、ゲームの公式設定では「セキロ」と呼ぶのが正しく、日本語吹き替えではっきりと「せきろ」と音を伸ばすことなく発声されていたりしますので「せきろ」が正式な読みだと考えます。
プレイ時間
当ブログで他のクリアレビューをご覧頂いても分かる通り、攻略スピードは決して早くありません。
現状攻略出来る要素は残っていないか?未達成のイベントは残っていないか?といった事を意識しながらじっくり攻略を進めるタイプなので、るっちの1周目エンディングまでのクリア時間は約47時間となりました。
画像では48時間となっていますが、1周目のエンディング後2周目に入り、ハードモードで最初のムービー有ボスを倒したところまで進めています。
取り返しがつかない?と思われる要素として、特定NPCが特定のマップに居る間のみ実行できるアクション(盗み聞き)を行う事で貰えるようになるアイテムがあるらしく、タイミングを見逃せば次の周回をしなくてはならなくなる部分がある様子でした。
私は基本的なプレイスタイルとして1周目に攻略サイトのお世話になる事はありません。クリア後に調べてそんな要素があったのか・・・と気づかされる事もしばしば。つまり要領が悪い方です。
例えば、ゲーム後半でやっと特定の移動アクションが行えるようになるのですが、そうなった時にはマップの最初から探索しなおし、改めて隅々まで探索してみたりとか。
そんなプレイスタイルでも50時間前後で一通りプレイ出来るという事はボリュームは決して多い方ではないと言えそうです。
ですが、ボスが結構強いゲームなので、アクションが不得意な方はボス戦で苦戦することになりもっとプレイ時間が増える可能性があります。逆に上手な方はもっと短い時間でクリアが可能といえるでしょう。
あまり他人のプレイ時間は参考にしづらいゲームかもしれません。
Steam版のグローバル実績はSteam版をプレイしている方に限られていると勝手に思っていますが、現時点で既になんらかのエンディングを確認済みの方は購入者の13~18%程度もいらっしゃるようで、るっちはこれから実績コンプリートに挑戦する予定です。
購入までの経緯
2019/3/22発売(Steamで配信開始)の新作であり、さほど世間の流行・トレンドを追いかけない傾向のあるるっちとしては珍しく発売日(からほんの少し遅れて)近くにフルプライスでSteamにて購入しました。
と言いますのも、るっちはダークソウルシリーズ最後の作品であるダークソウル3の実績をフルコンプし、「この手のゲームはもうお腹いっぱい」と考えて買わないつもりでいたのです。
周回前提のダクソ3の実績フルコンプリートは大きな達成感が得られた。
2019/4/6現在においても、Steamにおける全購入者の内2.5%しか偉業(?)実績コンプリートを達成していない。達成には2周を超えて3周4周・・・と、周回が必要だったように記憶している。
購入を勧める友人に対してもお腹いっぱいと返答をして、当初まったく購入する気はございませんでした!
しかしどうやらSEKIROという名のこのゲーム、かなり難易度が高く発売後からネットでとても話題となっていました。
ゲームシステムが似通っているダークソウルシリーズを共にプレイしたるっちの身近な友人も発売日に購入しておりました。その友人が「もはやプレイヤースキルどうこうという話ではない」と、難しい!と語っていたので・・・プレイヤースキル()の格の違いというものを見せてやろうとこっそり購入を決めましたw
実際購入し、ゲーム開始直後は何だこのゲームは!雑魚敵まで強いじゃないか!と難儀しました。
ただ切りつければダメージが入り、雑魚敵はサクサク・ボスは手強いみたいな一般的なバランスではなく、ボスは当然のことながら雑魚敵もプレイ状況によっては簡単に死ねるほどの難易度だったのです。
なればこそ挑戦のし甲斐があり、そのような高難易度のゲームを攻略するといった事に喜びを感じられるドMな方にはぜひおすすめ。
敵の動きに見慣れれば、どのタイミングでガード・回避・攻撃を行えば良いのかわかるようになるので、カッコイイ剣戟で戦えるこのゲームは本当に素晴らしい。
やっぱNINJAやSHINOBIや、SAMURAI、KATANAって、国籍人種を問わず男子はみんな大好きだと思うんです。
ゲームの特徴
SEKIROに興味を持ち手に取る方は半数以上の方はダークソウルシリーズをプレイしたことがあるのではないかと推察します。
用意されたマップを進み、固定配置の敵を自由に倒し・あるいは忍んで回避して進んでいき、必ず倒す必要のあるボス・倒さなくても良いボスを攻略していきますので、基本的にはダークソウルシリーズに似ていると言えますが、異なる特徴や要素がいくつか挙げられます。
忍殺
敵に気付かれずに背後や上空から接近し、一撃で敵を倒す事が出来るシステム「忍殺」が用意されています。これを利用するしないで大きくゲーム難易度が変わってくるため、積極的に利用する事になるでしょう。
しかし、ボスに関してはHPのゲージが1~3本用意されていて、ボスなので当然ですが一度の忍殺で倒す事が出来ないボスがほとんどです。中には1度も接敵前の忍殺を許してくれないボスも居ます。
体幹ゲージ
敵を倒す為には忍殺を行うか、HPゲージを減らし切るしかありません。
でも、雑魚敵もボス敵も、HPゲージを削り切って倒すのは非常に困難です。彼らのガードはとても堅く、攻撃のスキをつかない限りはほぼガードされるといっても過言ではありません。
そこで、こちらに気付かれてしまった後に忍殺を行う為には「体幹ゲージ」を削る必要があります。これがSEKIROの特徴的な戦闘システムの一つとなっている。
体幹ゲージは敵にも自身にも存在しますが、攻撃を受ける・攻撃をガードされる・攻撃を最適なタイミング以外でガードするといった時にゲージが貯まっていき、ゲージがマックスとなれば体勢を崩してしまいます。
自身の体幹ゲージが貯まり切ってしまった時には、次弾の攻撃をまともに受けてしまう時もあるでしょう。敵の体幹ゲージをマックスにすれば上述の忍殺を行う事が出来ます。
また、体幹ゲージはHPがたくさん残っている間は素早く回復し、HPが減少すると体幹ゲージも回復しづらくなるという特徴をもっている。これはゲーム内でも解説があるし、ボスを攻略する上で非常に大切な要素となっているので常に意識しておきたい。
ボスを倒す方法はほぼ全ての場合において体幹ゲージを増やして忍殺を複数回行う事。
ボスによっても特徴があり、攻撃頻度が高く手数が多いボスには攻撃に合わせた弾き(ジャストガード・いわゆるパリィ)を連続で行い続ける事、ガードが堅い敵に対しては敵の攻撃を上手にかわして隙をついて攻撃を与える事など、個性的なボスに対してどの方法で倒すかを戦いながら考える必要があり、攻略方法を閃いて実際に強敵を打ち倒した瞬間はただ武器を振っていれば勝ててしまうようなゲームとは一線を画した満足感を得られる事ができます。
ジャストガード成功で弾き。刀で弾く時の金属音の響きが心地良い。
一部、マップ特性を生かして討伐するボスも存在しています。
ガードについても触れておくと、ガードボタンを押しっぱなしで敵の攻撃をガードをする事が出来ますが、体幹ゲージはかなり増えてしまうし、HPへのダメージも多少入ってしまい、ずっと敵の攻撃をガードし続ける事はゲームシステム上不可能です。基本的には弾きを狙うか回避をするか、という選択肢となります。
忍具
ゲーム序盤にイベントで忍具(ネタバレとなるため正式名称とは異なります)を使えるようになり、マップの探索やイベント、ボスの討伐などで必要アイテムを揃えて新たな忍具・強化を行っていく事ができます。
忍具はただダメージを与えたりするものではなく、まともに戦えばスキも少なく強力なボスが、特定の弱点となる忍具をうまく利用する事で非常に攻略しやすくなるような特性をもっており、そのヒントもゲーム内に多数準備され(主にNPCに対する盗み聞き)攻略の手助けとなってくれます。
SEKIROは一本道で進んでいく形式のゲームではないため、「強力過ぎて倒せない」ボスと遭遇した時には、何か有効な忍具やアイテムが必要だったりする可能性もあり、どうしても倒せない場合は別のルートへと探索を進め、新たな忍具やアイテムをそろえた後改めて戦うとあっさり勝ててしまったりという事が多々あります。
とは言っても、完璧なガード・完璧な回避・完璧な攻撃を行う事が出来れば忍具を利用する事なく倒す事も可能です。
スキル
数種類の秘伝の書などにより、主人公はスキルを獲得する事が出来ます。敵を倒す事で経験値がたまり、一定数貯まる事でスキルポイントを獲得し、スキルポイントを割り振る事でスキルを利用、または常時スキル効果を享受(いわゆるパッシブスキル)出来ます。
キャラクターレベルの概念はないので、経験値さえ貯めればいずれは全てのスキルを獲得できます。よって問題となるのは習得する優先順位のみ。
るっち個人の考え方としては、スキルツリー後半のいわゆる奥義級のスキルによって、強力なボスが簡単に倒せるように劇的に変化を遂げるという場面はあまりないと考えています。なぜなら、敵の攻撃はガードできるものはジャストなタイミングのガード(弾き)で受け、ガード不能攻撃は回避し、敵の攻撃の隙をついて1・2撃ダメージを与え離脱を繰り返し、体幹ダメージ及びHPをゆっくりと削って忍殺、という流れでボスを攻略するのが基本的な流れの為、奥義級の大技を繰り出すスキや余裕はあまりないからですw
(訂正)奥義纏い切りを除く。2周目ハードモード+厄憑状態で苦戦した蛇の目シラフジ戦においてとても有用だったので訂正しておきます。
これからプレイされる方は、見切り可能となる、空中でガードが出来るようになる(攻略上ほぼ必須)、回復アイテムの効果がアップする、忍殺時にHPが回復する、ガード時の体幹ダメージが減少する、といったいわゆるパッシブスキル的なスキルを優先的に獲得する事をおすすめしたいと思います。(戦いは派手さもなく地味なものになりますが、プレイヤーの腕前次第でより強化されるのはパッシブスキルの恩恵だと考える。)
SEKIROの戦いにおいて最も大事なのは、プレイヤーであるあなた自身が敵の動き(予備動作)を見て、次の回避行動やガード行動へと反応出来るようになり、攻撃のチャンスを認識する事。
例え今回の命では倒し切る事ができなくても、次の再戦に向けて長く生き残り敵と戦う・より多く敵の動きを観察する事で何倍にも強くなれると考えます。何度挑戦しても数回の敵のアクションでキャラクターが死んでしまっては、いつまで経ってもその敵を倒す事が出来ません。
では倒せない敵を倒す為に何が必要かと言えば、回復アイテムの効果がアップするとか、そもそも回復アイテムの使用回数を増加させるといった恩恵を得て「長く生き残れるようにする事」が、「強力な攻撃型の奥義」よりも重要だとプレイしていて感じました。その為、一般的なイメージとは逆でしょうがゲーム難易度が最も高いと感じたのは、HPゲージも少なく回復可能回数も少ないゲーム前半部分だったように思います。
危険スキル
戦闘を単調なものにさせない工夫として良かったと思うのは「危」の文字出現と同時に繰り出される攻撃。
「危」とドーンという効果音の後に敵は大ダメージ必殺技を発動する。
じゃ、これが出たら颯爽と回避したら良いね。という事でもなく、実はSEKIROではこの危攻撃が最大の攻撃チャンスとなるパターンがとても多い。
危険スキルには「突き」・「下段」・「掴み」と種類が用意されていて、「見切り」が使えるようになった後は「突き」攻撃が最大のチャンスとなり得る。「突き」待ちをするだけで勝てるボスもいるほど。
「下段」攻撃が繰り出されれば距離を取って回避を行うか、ジャンプをして隙を突く。「掴み」は掴み判定を受けないように距離を取る事が推奨される。
ではどれがどのタイプの攻撃に属しているのか、という事が分からない最初の間はどうしても苦戦する事になる。それらを技の発動前の予備動作と併せてプレイヤーが記憶する事と、より応用をするのであれば、敵との距離関係も工夫して技を誘発させる事でもっとSEKIROは簡単なゲームとなり得るでしょう。
回生と冥助
ゲーム内設定により、主人公は何度も蘇るという特性をもっています。
この回生により、戦闘に於いて死亡してしまっても回数制限有りで復活する事が可能。ただし復活後に1体も敵を倒せなかった場合は復活できるのは一度きり。
また、「回生」を行えない状態で再度死亡する事で最後にセーブした時点に戻り、お金と経験値にペナルティを受けます。死亡した場所に戻ってデスペナ回避というシステムはありません。
時々発動する「冥助」によりデスペナが発生しない場合もあります。
今回のまとめ
普段はSteamにて大型セールを待って流行に後れても我関せず、じっくりとゲームを楽しむ事が多いるっちもフルプライスの新作に思わず手を伸ばしてしまったSEKIRO(隻狼)。
キャラクターの設定やストーリーに関しては多少薄味でボリューム不足(周回前提を加味しない場合)かなという感想でありながら、一戦一戦の戦闘に関しては申し分ないゲームバランスであり、一部戦闘前の演出も良好、総評として十分に楽しめました。
難しいゲームに挑戦する事に楽しさを感じられる方には間違いなくマストバイな作品となっています。やりごたえ、爽快感、達成感を得られた完成された一本のゲームでした。これで終わりでなく実績フルコンプまでやる気持ちになるほど!
逆に、あまり難しすぎると途中で投げてしまうといったプレイヤーさんには全くおすすめできない(人によっては本当に難しく、何度も同じことを繰り返し苦痛となると予想)という非常に尖った作品という感想を持ちました。
ボスを倒せない勝てないという方は、細かいアクション(予備動作)としてちゃんとヒントが描かれているので、じっくりと敵の動きを見るようにすると必ず勝てるようになります。まだプレイをしていない方もぜひ話題の高難易度アクションゲームSEKIROに挑戦してみてはいかがでしょうか。
筆者はSteam版でプレイしましたがPS4版、XBOX版もあります。
難しすぎてどうしても攻略出来ない方で、ネタバレもイヤだという方は公式ガイドブックも出ています。
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